リモートデスクトップ・ホストへの接続方法は、様々です。
そのうちの一つが、これから紹介する「Google Chrome ウェブブラウザ」や「Microsoft Edge」、「Mozilla Firefox」などのウェブ・ブラウザを使って、リモートデスクトップを実現する方法です。
Webサーバで社内のパソコンをインターネットに配信します。
「Active Directory」を設置する必要がないので、社内のパソコンを、短い工期とリーズナブルな費用で、テレワークに転用できるというメリットがあります。
リモートデスクトップを使うためのホームページのことを「ウェブポータル」と呼びます。
今回は、ウェブポータルを使ってWindowsパソコンにリモートデスクトップする方法をご紹介します。
リモートデスクトップ・ウェブポータルとは
リモートデスクトップ・ウェブポータルとは、リモートデスクトップ画像を配信するホームページのことです。
社内のパソコンのデスクトップ画面を、Webサーバが中継して、ユーザーに配信します。
Webサーバと連携したリモートデスクトップ・クライアントのソフトウエアが、指定したパソコンからデスクトップ情報を受けとり、ユーザーはブラウザでそれを閲覧します。
ユーザーはウェブ・ブラウザでYoutubeなどの動画を観るように、社内のパソコンやサーバーのデスクトップ画面を見ることができ、それを手元のキーボードやマウスで操作することができます。
リモートデスクトップ・ウェブポータルのメリット
ウェブポータルには、次のようなメリットがあります。
クライアントのデバイスを選ばない
ブラウザがあれば、ウェブポータルでリモートデスクトップにアクセスできます。
WindowsやMAC、Linuxなどのパソコンはもちろん、IOSやAndroidのスマートホンやタブレットなどで、使うことができます。
スクリーンキーボードが使えるので、必ずキーボードやマウスが必要というわけではありません。
ウェブブラウザを開くことができれば、世界中どこからでも、会社のデスクトップ画面を表示することができます。
Webサーバの機能を継承できる
一般的に、Webサーバには認証やアクセスコントロールなどのオプション機能があります。
また、SSL暗号化も可能です。
ウェブポータルでは、これらの追加機能を使って、より高いセキュリティーを確保することが可能です。
これらを合わせて使うことで、リモートデスクトップ・アクセスのセキュリティーを強化することが可能です。
構成がシンプル、構築期間が短く安価
本格的なリモートデスクトップを構成するMicrosoftのシナリオでは、「Active Directory」が必須になります。
「Active Directory」はWindowsネットワークにおける、認証機構です。
「Active Directory」を構成するには、「Active Directory」サーバーなどプロプライエタリのサーバーを建てなければなりません。
ウェブポータルを使えば、既存のパソコンを使って、そのリモートデスクトップ機能を有効化しするだけで、これらを集約してユーザーに提供することができます。
「Active Directory」を構成しなくても、Webサーバで認証が可能でです。
社内のパソコンが多くても、Webサーバにリストすることができるので、マウスクリックで接続先のパソコンを選ぶことができます。
構築期間と投資費用を節約できる、テレワークソリューションです。
ウェブポータルの使用が推奨される場面
コロナ禍で、急ぎでテレワークに移行するような場合には、比較的短期間で構築することができる、ウェブポータル型のリモートデスクトップをおすすめします。
社内にある既存のパソコンを、そのままWebサーバで公開できるので、比較的少ない投資で、テレワーク環境を整備することができます。
社員の少ない中小企業においても、手を出しやすいソリューションです。
社員にパソコンを貸与せずに、テレワークに移行する場合でも、ウェブブラウザを使うだけなので、個人のパソコンを使ってもらうことへの抵抗感は弱いと思います。
ウェブポータルを構成するために必要なもの
会社の事務所にインターネットの固定ipが1つ必要です。
このipでウェブポータルを公開して、テレワークをする社員にアクセスしてもらいます。
アクセスする人数に応じたスペックのWebサーバが必要です。
少人数であれば普通のパソコンレベルのスペックで大丈夫です。
あとは、リモートデスクトップで使うパソコンへのネットワークが必要です。
通常はパソコンをネットにつないでいるでしょうから、すでに構築済みだと思います。
リモートデスクトップ・ウェブポータルの実演動画
ウェブポータルで社内パソコンにアクセスする状況をYoutube動画にしていますので、参考にしてください。
まとめ
リモートデスクトップ・ウェブポータルは以下のようなものです。
- ウェブポータルは、最も安価にテレワーク環境を実現できるソリューション
- 必要なももは固定ipが1つとWebサーバだけ
- ブラウザを開くことができる端末であれば、世界中どこからでも社内のパソコン操作ができる
コロナ禍のテレワークに、最適なリモートデスクトップを実現する方法です。